様々な名義でジャンルの垣根を越えて活躍するマルチ・プレイヤー、ブルーノ・オバールによるプロジェクト4年ぶりとなる3作目！ひとことでアフロ・カリビアン・ディスコといっても今作は実にバラエティに富んでいて侮ることはできない。カメルーン出身のシンガーであるパット・カラをフィーチャーしてディスコ・アレンジに昇華したフェラ・クティ史上屈指のポピュラー・ナンバー"Water No Get Enemy"(B-2) は有名なホーン・リフ以外は実に洗練され、逆にアコーディオンの音色が鮮烈でハイチのコンパを思わせる哀愁度を含んだ"Faut Pas Dire Des Choses Comme Ça (feat. Pat Kalla)"(C-2)や西インド諸島産のメレンゲにも通じ、バルカン・ビートやリンガラ好きにも刺さりそうな高速カリビアン・ダンス・ナンバーである"Mbaal Mu Teer"(B-1)、まんまスークースなD3.François, Va Te Laver (feat. Pat Kalla)などには良い塩梅で土着さが含まれる。ガーナ北部のフラフラ人伝統ジャンルであるコロゴのシンガー・ソング・ライター、アユーネ・スレをフィーチャーした2曲のうちの１曲、スレ自身のアルバムにも収録されていて、そこではアフリカン・ヘッド・チャージのボンジョ・イヤビンギ・ノアをフィーチャーしていた"Fighting Music"が、今作では"Fighting Slowly"としてバレアリックなハウス仕様となりアップデート。全編通してお洒落ではあるのだが、アラビックな音階のボーカルが心をくすぐるTu Mens Devant Moi (feat. Rama Traore)(B-3)や、どこかシステマ・ソラールを感じさせるクンビアなLIMYÈ-A (feat. David Walters, Lass & Pat Kalla) (C-3)など、洒落すぎず絶妙な力の抜き方には脱帽。どこを切り取ってもフロア映えしそうなのは、さすがとしか言いようがない。SHOCHANG (HIGHLIFE HEAVEN)
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