キューバの宝石、ロス・サフィーロスは60年代から70年代にかけ活動したフィーリンとドゥワップ、ボサ・ノヴァにカリプソなどをメスティーソしたバンドだ。かんたんに言えばアメリカン・グラフィティの匂いがするキューバ音楽！？違うか？？最盛期には欧州ツアーに出るほどの人気を誇っていた。その軌跡を辿るドキュメンタリー映画の本作は2002年に公開。メンバーのマヌエル・ガルバンとミゲル・カンシオの２人を中心に当時の映像から現在のセッション、ゆかりある人物に場所を訪れ彼らがどれだけ凄かったかと言う証言なども収めた内容で、偉大なキューバ音楽史の一部を伝える文句ない内容だ。残念ながら日本語字幕はなし。だが、英語の字幕を追いかけながらみても内容は伝わってくるし、何より美しい映像が目も心も綺麗にしてくれる。その様子はこの音楽がキューバでなぜ産まれたかも教えてくれる。時間軸、隙間、太陽の輝き、色、そんなキューバの全てが彼らを産んだのだ。その土地でしか取れない果物や野菜のように！兎に角、彼らを知ってから僕はもうずっと夢中なんだ！！キューバと言えばブエナ・ヴィスタ。いやいや、それだけじゃあない！こんな素晴らしい音楽を一人でも多くの人に知って欲しい。心からそう思う。嘘偽り無しにお薦めできる作品だ。