1919年にパナマに産まれ、コスタリカで育ったカリプソニアン、ウォルター・ファーガソン。70年代まで自分の育った村を出ることなく生活していたと言う彼。その主な稼ぎは、カセットテープに彼の楽曲を録音し、それを観光客を相手に売って得ていたとか。本作はそのカセットテープをCD化したと言う訳だ。シンプルながらも立体感ある音にまず驚かされることだろう。デジタル音源とは言え、感じる暖かみ、音像が素晴らしく、美しいのだ。更に、犬や鶏の鳴き声まで聴こえてくる臨場感。これがまるで現地にいるかのような錯覚を起す。録音当時は、まさかこの鳴き声がこんな効果をもたらすなんて思ってもいなかっただろう、嬉しい誤算と言うヤツ。ユルさ、隙間、気持ち良さ。カリブ地域の音楽的ルーツを多々感じる内容。これは贅沢だ。
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