まずは本作の主人公、Branko Mataja の紹介から。1923年に現在はクロアチアのBekar という街で生まれ、間も無く旧ユーゴスラビアの首都ベオグラードに移り住む。1941年に第二次世界大戦が始まり、たまたま身分証を持たずに出歩いていた彼は逮捕されドイツの奴隷キャンプへと連れて行かれ強制労働を課せられる。終戦後、故郷に帰る道は選ばずにアメリカへの移住を希望したが、願い叶わずまずはイギリスへ。その後、紆余曲折を経てアメリカはノースハリウッドに落ち着き、床屋として働いていた。やがてヒッピーの時代がやってくると床屋の需要は減り、幻滅した彼は独学でギターの修理、制作、そして演奏を学んだ。本作はそんな数奇な人生を歩んだ、Branko Mataja の2枚のアルバムから選りすぐりを集めた編集盤。その独特な、他にはない彼の曲を聴いた瞬間、僕は虜に。エンニオ・モリコーネのスパゲッティ・ウエスタン、オマー・コルシッドのベリーダンス、そして90年代のベッドルーム・サイケデリア。レーベルからのインフォにあったその言葉にまさにと頷いた!!故郷であるユーゴスラビアの民謡を自作ギターで、誰にも想像できないような弾き方とアレンジで再現。もちろんそこには彼が歩んできた人生というエッセンスをプラスしてのことだろう。こんな音楽が世の中にあったんだ!!このNumero の発見、金メダル以上のものをあげたいくらい。郷愁と創造の共存。この奇跡に心から感動した。素晴らしい音楽をありがとう。
Side A
Side B
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